WordCamp Tokyo 2017に行ってきた

社会人3年目エンジニアの関です。
9/16、9/17に開催されたWordCamp Tokyo 2017のセッションデイに参加してきたので、感想を交えつつレポートしていきたいと思います。ちなみに今回初参加です。

目次

ダイエット記事から考える 情報発信をする上で知っておきたい科学的根拠のこと

WELQ問題で有名な朽木誠一郎さんのセッション。一見簡単に書いてあることでも複雑な前提や背景を持っていて、受け取り手によって信頼度が変わってくるという話。
分かりやすくする、キャッチーにすることは情報が正しくなくなっていく危険性を孕んでいる、という話が特に印象に残りました。
開発者だけでなくサイトの運用者も参加するWordCampならではのセッションだと思いました。

Gutenberg が切り開くWordPress の新UX

WordPress5.0系以降で導入される予定の次世代エディタGutenbergの紹介セッション。
デモも見せて頂いたのですがとにかく感動。これ欲しいやつ・・・!
会場内からは「おおー!」というどよめきもちらほら聞こえました。
簡単に言うと構成ごとのブロックを積み重ねる感覚でコンテンツを作成することができ、優柔不断でいつも文章構成に悩む私みたいな人には非常に役立ちそうなエディタでした。

試作品はすでにプラグインとして公開されているので、興味のある方はぜひ。
https://ja.wordpress.org/plugins/gutenberg/

安全なプラグインに必要なこと ~脆弱性届出状況に見る傾向と対策~

セキュリティ運用の参考になるかと思い、参加しました。ざっくりと以下のような話を聞きました。

  • プラグインの脆弱性報告が特に顕著に増加している。コアファイルの脆弱性対応はかなりされている。中にはアクティブユーザの多いプラグインもある。
  • 脆弱性報告がされるプラグインの多くは2年以上開発が止まっているもので、中には作者と連絡すら取れないものもある。
  • プラグインを作成する際は解析ツールを使うなど対策が必要。すでに報告されている事例があるので作成する際は把握しておくこと。

以前別の記事にも書いたのですがプラグインはセキュリティホールになりがちなので、定期的なアップデートと関連情報の収集を怠らないようにしようと思いました。

大規模案件の苦悩から生まれた柔軟なカスタムフィールド設計の考え方

カスタムフィールドを最大限に活用している事例の紹介セッション。
弊社でもカスタムフィールドを随所で活用していますが、このセッションで紹介された事例だとデフォルトのエディタを一切使わずに全てカスタムフィールドで賄っており、衝撃を受けました。確かにある程度表示のテンプレートを組んでしまえばエンドユーザのリテラシーに寄らずに一定の品質を担保できるものなぁと、カスタムフィールドの可能性に改めて感心しました。
Gutenbergの登場で、今回の事例のようなカスタムフィールドを活用した運用が今後どのように変化していくのかが気になります。

世界で一人しかできない WordPress コアを写経する話 ― 修行の先に見たものとは?

タイトルそのまま。WordPressのコアファイルをひたすら写経する話。
index.phpから始めてエラーログを追いながら写経をする方法を編み出すまでに2回挫折しているとのこと。「1500以上のコアファイルを・・・」と聞いた瞬間、気が遠くなりました。
関数やクラス定義から書き始めるのかなと単純に考えていた私にとって、今回紹介されていた写経方法は正に目から鱗でした。

WordPress プロジェクトのこれから

今年話題になったWP REST API脆弱性の裏話から、今後のプロジェクトとセキュリティの話。
対象ユーザが数%といっても実数にすると数百万サイトが対象になってしまうこともあり、PHPの後方互換には特に気をつけているとのこと。
たしかにWordPressをアップデートしたときにテーマやプラグインのファイルでエラーが起きても、コアファイルでエラーが起きて動かないは見たことがない気が。
最後に自動アップデートはオフにしないでねという話で「なんで自動アップデートの切り方なんて紹介しているブログがあるんでしょうね!知らなくていいですから!」には心の中で「ごめんなさい;;」と思いました。

WordPress in 2018 / 2018年のWordPress

WordPressを取り巻く環境の変化と今後のWordPressの成長についてのセッション。
JavaScriptのFWが台頭してきている話で、ReactとVueをキングコングとTRexで表現したのは面白かったです。
今後PHPだけでなく、そういった知識も必要になるのできちんと学んでいこうと思いました。

モバイルファースト時代の WordPress サイト運営のポイント

Googleが今後以下のことに力を入れていくよ、という話。質疑応答は特にMobile First Indexについてが多く、関心度の高さが伺えました。

  • Mobile Friendly
  • Mobile First Index
  • Site Speed

今回のセッションでamp-bindについて初めて知りました。
AMPはCSSやJavaScriptの制約が多く対応が地味に大変なのですが、これで動的なコンテンツも載せられそうですね。

まとめ

今回のWordCampでは特に次世代エディタGutenbergが気になりました。いくつかのセッションでもちらほらと名前が挙がっており、注目度の高さを感じました。先日のReactライセンス問題で書き直しを余儀なくされていますが、リリースが今から非常に楽しみです。

実は本記事の下書きを、さっそくインストールしたGutenbergで書いていたり。

あと個人的には、わぷーカフェに飾られていた歴代WordCampTシャツ展示で色々なコスプレのわぷーを見れて良かったです。