リモートワークを試験的に導入してみる


技術部門の責任者を務めている堀内です。リンクバルでは、リモートワークの導入を試験的に少しずつ進めています。2018年10月から、エンジニアの一部で週一回の運用を始めました。特に表面化した問題も見当たらなかったため、2019年9月から週二回に増やしました。それと同時期に、非エンジニアにも対象を拡大しています。今のところ、特に困ったことは起きていません。

オフィス勤務と在宅勤務、社員と業務委託の違い

現在リンクバルには東京とハノイを合わせて正社員エンジニアが30名弱、個人の業務委託先が5名います。業務委託5名は全員在宅勤務で、うち3名は元社員です。在宅勤務には通勤がなくなるという利点がある一方で、オフィス勤務にも、物理的な距離の近さという利点があります。

側にいる、という利点はとても大きくて、大部分のメンバがオフィスにいる弊社のような環境だと、オフィスワーカーと在宅勤務者とで、アサインされる仕事に自然と区別がついてきます。これまで何となく、社員と業務委託、オフィス勤務と在宅勤務との間で業務を区別してきましたが、働き方が多様化してきたため、整理し直しました。この整理の根底には、環境や契約形態によって業務内容が左右されるべきではないだろう、という思想があります。

業務の種類を整理する

1. 開発業務
2. データを扱う業務
3. 本番環境を扱う業務

過去2-3年ほど、在宅の業務委託メンバには 1 のみをお願いしてきました。ところが、2 のデータ系業務に携わる在宅業務委託メンバが出てきたため、考え方を改めました。

1 の開発業務はオフィスでも在宅でも、社有PCでも私物PCでも可、と定めました。2 のデータ系業務を私物PCで実施する場合は、会社で用意した Amazon Workspaces を使うことにしました。3 は、より安定した運用と高いセキュリティを求めて、やり方を見直している最中です。

今のように正社員エンジニアが充実する前は、1、2、3 の全てを業務委託エンジニア中心で回していました。

リモートワークの弊害

特に困っていない、と書いたものの、弊害はゼロではありません。話をしたい相手が今日リモートワークだと、「なら明日話そうか」となりがちです。そこまで急いでいないし。週二日に拡大した今でも、ここはあまり問題になっていませんが、じわじわと効いている可能性もあります。

リモートワークを成立させるための努力

1. ワイヤレスヘッドセット

ビデオチャット、音声チャットする機会が増えるだろうと、Plantronics の Voyager を何名かに配ってみましたが、あまり使われていません。今のところ、失敗です。リモートワークの日数と対象者が拡大すると、活きてくるかもしれません。

2. スピーカーフォン

会議用に、もともと Yamaha を使っていましたが、参加人数が多いときに性能の限界を感じていました。そこで eMeet というスピーカーフォンを導入したところ、会議の質が大幅に向上しました。おそらく Yamaha がハードで頑張るタイプで、eMeet がソフトで頑張るタイプです。eMeet は Yamaha よりも安くておすすめです。

3. 音声チャット

Discord というオンラインゲーム用の音声チャットツールを導入して、在宅でもオフィスでも、東京でもハノイでも、すぐ声をかけられるようにしようとしました。しかし、みんなそもそもあまり使わないということと、Hangouts Meet と比べると UDP のせいか音の途切れが目立ち、特に東京ハノイ間では実用性が低いこともあって、導入を断念しました。

4. 成果のトラッキング

リモートワークだとコミュニケーションコストが上がって効率が落ちるのではないか、自宅でサボる人がいるのではないか、という懸念に回答できるように、それまで GitHub + Backlog でソースと案件の管理をしていたのを、GitLab に一本化して、成果を常時集計できるようにしました。今のところ、開発パフォーマンスが落ちたという兆候は見当たりません。

これから

2020年の東京オリンピックに伴う交通網の負荷軽減という短期目標に向けて、国を挙げてテレワークを推進しているので、リンクバルでもじわじわと、その方向で動くのではないかと思います。

それとは別に、家内制手工業から産業革命を経て、また生産設備を個人が所有できるようになってきたことと、価値の受け渡しが電子的に済む仕事が増えたということもあり、オフィスから自宅への回帰も10年、20年かけて進むでしょう。

社内では、若手がオフィスのフリーアドレス化の可能性について議論しているようです。リモートワークとフリーアドレスを合わせると、オフィススペースの縮小も視野に入ってきます。

少し前に、一ヶ月ほどアメリカと中国に私用で滞在することになった社員がいました。実験的にリモートワークをしてもらったところ、中国との通信トラブルを除けば、特に問題もなく終わりました。東京オフィスでも、自宅でも、ハノイオフィスでも、海外のどこかでも、普通に働ける環境を目指していこうと思います。パフォーマンスを落とさずに。